2025.6.23
第3弾は「いのちを守る」献立です。ここでは、「知る」という行為から他者を認め、多様ないのちがそれぞれに守られてゆく未来について考えます。今回は、海のいのちに注目し、海の生態系を守るために今、起きていることに焦点を当てました。
注目したのが鯨です。日本では捕鯨が古くから行われており、昭和30~40年代には、学校給食でも定番メニューとして登場するほど、身近なものでした。ところが、世界中が鯨を捕まえ過ぎたたことにより、鯨の数は激減してしまいました。そこで、商業用として捕鯨することは禁止され、食卓から鯨の姿はなくなります。
しかし今、捕鯨が制限されてある種の鯨の数が増えたことで、サンマやイカの数がどんどん減ってしまい、海の生態系のバランスが崩れています。
危機感をもった日本は、海の生態系を守るために商業用の捕鯨を再開することにしました。捕鯨をする際は、調査捕鯨で得たデータをもとに水産庁管理のもと行われています。
給食では、下味、粉付けされた鯨を給食センターで揚げて竜田揚げにしました。食べ慣れていない子どもたちのことを考え、業者の方と味付けや大きさなどを話し合い、作ってもらいました。
【鯨を油で揚げる様子】
【揚がった鯨をクラスごとに配缶する様子】
当日は、栄養教諭による講話や動画で献立のねらいを伝えました。教職員の先生方の中には懐かしいと感じる人もいて、初めて食べる子どもたちと当時の話で盛り上がる様子もみられました。
【給食時間のようす】
捕鯨に限らず、世界では一つの物事に対して様々な意見があります。必ずしも一方が正しく、もう一方が間違っていることばかりではありません。「知る」という行為で自分だけでなく相手も理解しようとする心が、自分と誰かを守ることにつなげてくれるのかもしれませんね。
今回提供した「くじらの竜田揚げ」のレシピは、ホームページ内「レシピ」のページに掲載しております。ぜひご覧ください。
第4弾は「いのちをつむぐ」献立です。ぜひお楽しみに。
作成:栄養教諭