2025.7.4
第4弾は「いのちをつむぐ」献立です。ここでは、自然と向き合って生活し、文化を紡いできた日本人特有の感性から、自然(生態系)や身体(生命)、芸術文化、テクノロジー、コミュニケーションと食との関係性をクローズアップし、日本の食文化の根幹にある「いただきます」「ごちそうさま」を世界に向けて発信します。
日本で昔から紡がれてきたものと言えば、郷土料理です。郷土料理とは、各地域でとれる食材を使い、その土地ならではの調理方法で作られた伝統的な料理のことです。今回は、万博が開催されている大阪の郷土料理「お好み焼き」を給食で提供しました。
大阪のお好み焼きのルーツは、安土桃山時代に千利休が催した茶会に出された「麩の焼」という茶菓子です。水で溶いた小麦粉を銅板に伸ばして薄く焼き、味噌を塗って巻いたり、クレープ状にたたんだりしたものでした。江戸時代末期には、溶いた小麦粉を鉄板などで焼いて食する習慣が庶民の間にも広まりました。明治時代後期にメリケン粉(アメリカ産の小麦粉)、キャベツ、ソースを使った「洋食焼」が登場します。これは手軽に食べられる駄菓子のようなものでしたが、やがて、具材に豚肉や、たっぷりの野菜を使うなどいろいろな店が工夫を凝らし、今のお好み焼きへと進化してきました。
給食センターが新しくなって、お好み焼きを提供するのは初めてです。卵・乳のアレルギーに配慮して、春休みに試作をしました。水加減や天板に広げる厚さ、焼き温度や時間など調理員と栄養教諭で相談しながら100人分を作りました。
【春休み中の試作の様子】
当日は、試作で分かったことを活かしながら約5000人分のお好み焼きを作りました。香川短期大学の実習生も加わり、食材の下処理、生地作り、焼成、カット、数読みと協力して作りました。
【お好み焼きの生地を作る様子】
【天板に生地を広げる様子】
【焼きあがったお好み焼き】
【一人分にカットする様子】
学校では、個包装のソースをお好み焼きにかけて食べてもらいました。献立の説明動画では「和食」や香川県の郷土料理にも触れ、昔から紡がれてきた文化や日本の食に対する精神を受け継いで、次の世代へと紡いでいく大切さを伝えました。
【ソースをかけることを楽しむ児童】
【説明動画を視聴しながら食べている様子】
今回提供した「お好み焼き」のレシピは、ホームページ内「レシピ」のページに掲載しております。ぜひご覧ください。
第5弾は「いのちを高める」献立です。ぜひお楽しみに。
作成:栄養教諭