2025.10.15
第6弾は「いのちを磨く・拡げる」献立です。
「いのちを磨く」では自然と人工物、フィジカルとバーチャルの融和により、自然と調和する芸術の形を追求し、新たな未来の輝きを求め、「いのちを拡げる」では新たな科学技術で人や生物の機能や能力を拡張し、命を拡げる可能性を探求しています。
今回は給食でもよく使う食材の中で科学技術を使って生産している「きのこ」に注目しました。香川県に生産工場があるホクト株式会社へ、ぶなしめじを栽培している様子を取材してきました。
香川第一きのこセンターでは、株用のぶなしめじ、カット用のぶなしめじの2種類を栽培しています。同じぶなしめじでも、カット用は加工に向いている菌種が選ばれています。長野県にあるきのこ総合研究所では、おいしくて丈夫なきのこを日々研究開発しており、そこで厳選された菌が使われています。
ぶなしめじは自然の中では木の根元に生えていますが、人工的に栽培するときは瓶状の培地にぶなしめじの種となる菌を植え付けて栽培します。この培地はとうもろこしの芯を砕いたものに、ぶなしめじが大きくなるための肥料等が入っています。培地の瓶はきれいに並べられて温度や湿度、二酸化炭素の濃度、風量、光量などを調節することのできる部屋の中で育てられます。特に光は独自に開発された特殊な光を使っていて、光をあてることで茎を太く大きくし、かさの色づきをよくすることができるそうです。
このように工場で科学技術を駆使して栽培することで、衛生的で安定した量や価格のきのこが私たちのもとに届いています。
【栽培する培地】
【栽培されている部屋の様子】

【成長途中のぶなしめじ】

【出荷直前のぶなしめじ】

カットしめじの製造工程では、しめじを機械でカットしたあと、人が目視し、ほぐしながらコンベアで送られていきます。よく見るとローラー状になっているコンベアの隙間から小さいぶなしめじがふるい落とされています。大きすぎるものや小さすぎるものは規格外となり、残念ながら商品にはなりませんでした。しかし、香川第一きのこセンターではこの規格外のぶなしめじを業務用として特別に注文を受け付けており、この機会に給食で使用しSDGsにつなげたいと考えました。
【カット後選別されている様子】

【規格外の小さいぶなしめじ】

【給食センターでしめじを調理する様子】

【鮭にしめじの入ったたれをかける様子】


学校では取材内容を盛り込んだ動画を見ながら給食を食べました。ぶなしめじが栽培されている様子はとても興味を引いたようです。規格外のぶなしめじが廃棄されると聞いて「もったいない!」という声もあがりました。
給食では和風あんの中にしめじを入れたものを鮭にかけて提供しました。小さいぶなしめじだったため、味がよくなじみキノコ類が苦手な児童も1個からチャレンジすることができていました。「もったいない」を減らしたいので、また給食で食べたいという児童もいました。
【給食の様子】


第7弾は「いのちを響き合わせる」献立です。ぜひお楽しみに。
協力:ホクト株式会社 香川営業課 課長 小林 様
ホクト株式会社 香川第一きのこセンター 所長 高橋 様
橘 様
作成:栄養教諭